でたらめを言って、ここで金を取れば立派な債務整理の詐欺罪になる。
債務整理の告訴でもされれば、元の100万円まで吐き出して謝らなければ取り下げてはもらえま
い。
でたらめ話の目的はここで小金をとることではなく、前の100万円をうやむやにすることにあ
る。
そこで一味の一人が、ひそかに元教授に電話して、いかにもその 債務整理の取引の話に疑念を
起こさせるような情報を耳に入れた。
驚いたのは元教授である。
やれやれ危ないところだった。
二重に詐欺に引っ掛かるところであった。
それにしてもけしからん。憎くて憎くて、面罵してやらねば気がすまない。
と思っているところへまた連絡があって、関係者が揃ったから、もしナンならお立ち会い下さい
という。
ナンなら立ち会えとは、なんという横着なことを言うのだろうかか。
湯気の立つほど怒った元教授が出向いてみると、前の連中のほかにも新顔が一、二人いたが、そ
んなものには目をくれる気にもならない。
でたらめも程々にしろと、散々に罵倒した。
なにしろ捨てられた娘が男の胸ぐらにむしゃぶりつくのと同じ心理だから、後先の考えがない。
